人類が宇宙に進出してそれほど年月が経っていない、近未来の物語。このソフトの凄いところは、世界設定にかなり凝っていることです。ＳＦ小説などの原作があるわけではない通常のゲームソフトで、ここまで世界設定に凝るというのは並大抵の事ではありません。その設定もやたら難しくて非論理的な作りのソフトが多い中にあって、なかなか筋が通ったものになっているので、ＳＦファンの人も惹き付けたのでしょう。そして、二番目の魅力は、人物像にあります。口が上手く聞けない子供を持った警察官の親父の苦悩、主人公自身の過去との訣別など、なかなか『ドラマ』している珍しいアドベンチャーゲームと言えましょう。ミステリーとしてのシナリオを見た場合にはちょっと物足りない／不自然だと思う部分もありますが、総合的に見てトップクラスのゲームだと思います。

元々、あの名作『スナッチャー』の続編と聞いていたのですが、ストーリーは別ものです。しかし、その緻密な作り、エンターテイメントとしての質の高さは確りと受け継がれており、ＳＦファンのみならず、アドベンチャーゲームが好きなら絶対にやっておくべき１本でしょう。最後のシーンで、素晴らしい本を読み終えた時のような、或いは名画を見た時のような、清々しさを味わえる事を、こういちが保証します。
なお、サターン版のみ、ストーリー上重要な人物と主人公とのシーンが追加されていたり（実は９８版ポリスノーツのシーンがＰＳ版などでは削除されていたのを復活したのだが）、周辺機器であるバーチャガンに対応していたり、色々と付加価値が付いており、作者の小島氏も『サターン版は最終形』と言われているようなので、プレイするならサターン版がお勧めです。私は、３ＤＯ版・ＰＳ版も持っていますが・・・。