幼い兄妹が迷い込んでしまった、幻想的で悪魔的な屋敷、それが夢見館です。プレイヤーはこの館の謎を探りつつ閉じ込められてしまった館から脱出を図るのですが、この館の全体的な雰囲気、ファンタジックなようでいてホラーな、何とも言い難い雰囲気を作りだした手腕は見事としか言えません。それほど、どっぷりとイメージに浸れる、（プレイヤー視点のダンジョン型であるだけによりいっそう）自分がまるでその館の中を歩いていると感じさせられる、素晴らしいアドベンチャーソフトとなっています。また、凄いのは、館の各々の部屋に住む、蝶になってしまった住人達の過去が非常にまたイイ具合（←これしか言いようが無い(^^;)）に作品を構成していて、作品全体のボルテージを上げている事です。なんだか怖い、しかし物悲しい、せつなくなるようなノスタルジックともチト違う、という不思議な雰囲気のソフトです。メガＣＤを持っていて、このソフトをやらないと一生の損、というくらいイイソフトなので、ぜひ入手できる方はプレイしましょう。このソフトの唯一の難点は、後半、酷く意地悪なパズルがあって、なかなかクリアするのが難しい、という事でしょうか。ゲームに出てくる謎は、全般的には簡単で、しかもお助けツールも有るんですが、一ヵ所だけどうしても分からなくて、私は人に教えてもらうまでゲームをクリアする事ができませんでした。あとの難点としては、ムービーを繋いで移動するというＤ食タイプの（←こういう言い方が定着したなあ）ゲームなので、ＭＣＤの性能上、若干アクセス時間を取ることぐらいでしょう。